ラグビーの第7回ワールドカップ(W杯)ニュージーランド大会は第10日の21日、同国北島にあるファンガレイのノースランドイベントセンターで1次リーグA組の1試合を行い、世界ランキング13位の日本代表は、15位のトンガ代表に18-31で敗れた。日本は3連敗、トンガは1勝2敗となった。日本はカナダ戦(27日)を残してA組3位以下が決定し、7大会連続の1次リーグ敗退が決まった。日本のW杯勝利は91年の第2回大会のジンバブエ戦だけで17戦連続勝利なしとなり、W杯でのワースト記録を更新した。また、日本は5年ぶりのトンガ戦黒星で、対戦成績は日本の7勝6敗になった。
◇一時同点
前半7分に先制トライを許した日本は14分、プロップ畠山(サントリー)が密集サイドを突いて同点のトライ。7点を追う同26分にはフランカーのリーチ(東芝)がトライを決め、2点差にした。
13-18で折り返した後半は、23分にCTBトゥプアイレイ(キヤノン)がトライ。しかし、トンガの重量FWに最後まで圧力を受け続け、攻守にミスが出て1トライ1ゴール、2PGを許して突き放された。
◇「勝つことは難しいなあ」
今大会の日本代表で唯一3大会連続W杯出場のWTB小野沢は「簡単には勝てない。勝つことは難しいなあ」。FW周辺でボールを奪われることが多く、思うようにライン攻撃ができなかったため、持ち前のステップワークも十分に発揮できなかった。チーム最年長の33歳にとって次のカナダ戦がおそらくW杯で最後の試合になる。「出場メンバーに選ばれるように、いい準備をしたい」と、気持ちを切り替えた。
◇「今までで一番緊張した」
プロップの畠山は、この一戦に雪辱を期した。初戦のフランス戦ではスクラムで押し込まれ途中交代。「今までで一番緊張した」と振り返る試合で、前半14分には密集サイドを突いてトライ。スクラムでも要所では踏ん張った。東日本大震災で被災した宮城県気仙沼市出身。「みんなを元気づけるプレーを」との強い思いで今大会に臨んでいる畠山は「あと1試合残っている」と、敗戦にも前を向いた。
◇チーム最年少、攻守に奮闘
チーム最年少の22歳で初めてのW杯舞台に立つフランカーのリーチが、3戦連続先発出場となったトンガ戦でも攻守に奮闘した。7点差に広げられていた前半26分、タックルにきた3人を引きずるように右隅に飛び込んでトライ。防御でも後半6分、トンガのWTBバイニコロが右隅に飛び込む寸前に、あきらめずに戻ってトライを阻止した。初戦のフランス戦で頭頂部を切り、3針縫った。それでもプレーの激しさはむしろ増す。「悔しい。自分たちの力を出し切れなかった」。敗れながらも、試合の最優秀選手に選ばれたが、笑顔はなかった。